AMD プロセッサー Ryzen (ライゼン)とは
AMDの現行CPU(2024年)はRyzen(ライゼン)と呼ばれるシリーズで展開されています。
マイクロアーキテクチャのZenが発表されたのが2016年、生産開始が2017年。
製造プロセスでは6世代が過ぎました(Ryzen 8000Gを含む)。
以下にRyzenの歴史と現在をまとめました。
AMD CPU Ryzen (ライゼン)とは
本記事では、Ryzen 7000シリーズを取り上げます。
その他のCPU Ryzen 5000シリーズ、8000Gシリーズ
2024年1月31日 Ryzen 8000Gシリーズの発売になりました。(日本発売は2月2日)
Ryzen 8000GはGPUが強化されてますが、L3キャッシュの半減、PCIeレーンが少ないなど、Ryzen 7000シリーズとの棲み分けがされています、Ryzen 8000Gのスペックをご確認ください。
Ryzen 7000シリーズの前のデスクトップ向けCPUは、Ryzen 5000シリーズになります。
AMD CPU Ryzen 5000シリーズ(ソケット AM4) 比較一覧、違い
AMD Ryzen 7000シリーズ
一次情報は、以下のAMDのプロセッサーページ。
AMD Ryzen™ 7000 シリーズ デスクトップ・プロセッサー
Ryzen 7000シリーズはデスクトップ用CPUです。
Ryzen 5000シリーズからの大きな変化は、
・ソケットAM5(<-ソケットAM4)
・DDR5メモリ(<-DDR4メモリ)
・PCI-Express 5.0対応(マザーボード毎に実装は異なる)
・製造プロセス5nm
・ZEN4
・GPU内蔵(IOD)
となります。
AMD Ryzen 7000シリーズ 価格
値段は2023年12月15日の価格.com調べ。
リンクは価格.comの該当製品ページ。
参考価格 | |
Ryzen 9 7950X3D | 99,980 |
Ryzen 9 7950X | 88,291 |
Ryzen 9 7900X3D | 71,527 |
Ryzen 9 7900X | 71,190 |
Ryzen 9 7900 | 65,680 |
Ryzen 7 7800X3D | 53,980 |
Ryzen 7 7700X | 42,480 |
Ryzen 7 7700 | 41,980 |
Ryzen 5 7600X | 32,480 |
Ryzen 5 7600 | 28,280 |
AMD Ryzen™ 5 7500F | – |
型番補足
型番に「X」がつくのが通常消費電力版。
型番に「X」がつかないのがTDP 65W版。
65W版は通常消費電力版より基本クロックが低くなります。
X3D とは
Ryzen 7000 X3Dは、第2世代の3D V-Cacheを採用したCPU。
通常の(3D V-Cacheでない)CPUより、2倍〜3倍のL3キャッシュを搭載します。
CPUはまず、L1キャッシュにあるデータを利用しようとし、L1になければL2、L2になければL3のキャッシュデータを使用しますが、それでもなければメモリ、ストレージから取得します。
キャッシュ内にデータがある場合、CPUは高速に処理を続けますが、メモリ、ストレージとCPUから遠ざかるほど、待ち時間が増えます(CPUは処理データが揃うまで待機する)。
よくゲーム用マシンに最適とか案内されていますが、サーバー用にも魅力的に思います。
一般個人向けでは、これほど巨大なL3キャッシュは仮想マシンを何台も動かしてでもいない限りいらないかな。
正直、予算(懐)次第。
コア数、スレッド数、基本クロック、最大ブーストクロック – 仕様(スペック)
リンクはAMDの製品ページ
コア数 | スレッド数 | 基本(ベース) | 最大 | |
Ryzen 9 7950X3D | 16 | 32 | 4.2GHz | 5.7GHz |
Ryzen 9 7950X | 16 | 32 | 4.5GHz | 5.7GHz |
Ryzen 9 7900X3D | 12 | 24 | 4.4GHz | 5.6GHz |
Ryzen 9 7900X | 12 | 24 | 4.7GHz | 5.6GHz |
Ryzen 9 7900 | 12 | 24 | 3.7GHz | 5.4GHz |
Ryzen 7 7800X3D | 8 | 16 | 4.2GHz | 5.0GHz |
Ryzen 7 7700X | 8 | 16 | 4.5GHz | 5.4GHz |
Ryzen 7 7700 | 8 | 16 | 3.8GHz | 5.3GHz |
Ryzen 5 7600X | 6 | 12 | 4.7GHz | 5.3GHz |
Ryzen 5 7600 | 6 | 12 | 3.8GHz | 5.1GHz |
Ryzen 5 7500F | 6 | 12 | 3.7GHz | 5.0GHz |
L1キャッシュ、L2キャッシュ、L3キャッシュ、TDP – 仕様(スペック)
リンクはAMDの製品ページ
L1 | L2 | L3 | TDP | |
Ryzen 9 7950X3D | 1MB | 16MB | 128MB | 120W |
Ryzen 9 7950X | 1MB | 16MB | 64MB | 170W |
Ryzen 9 7900X3D | 768KB | 12MB | 128MB | 120W |
Ryzen 9 7900X | 768KB | 12MB | 64MB | 170W |
Ryzen 9 7900 | 768KB | 12MB | 64MB | 65W |
Ryzen 7 7800X3D | 512KB | 8MB | 96MB | 120W |
Ryzen 7 7700X | 512KB | 8MB | 32MB | 105W |
AMD Ryzen™ 7 7700 | 512KB | 8MB | 32MB | 65W |
Ryzen 5 7600X | 384KB | 6MB | 32MB | 105W |
Ryzen 5 7600 | 384KB | 6MB | 32MB | 65W |
Ryzen 5 7500F | 384KB | 6MB | 32MB | 65W |
L1:64KB/1コア
L2:1MB/1コア
グラフィックス、GPUコア数、GPU周波数、CPUクーラー – 仕様(スペック)
リンクはAMDの製品ページ
GPU | GPUコア数 | GPU周波数 | CPUクーラー | |
Ryzen 9 7950X3D | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | ー |
Ryzen 9 7950X | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | ー |
Ryzen 9 7900X3D | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | ー |
Ryzen 9 7900X | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | ー |
Ryzen 9 7900 | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | AMD Wraith Prism |
Ryzen 7 7800X3D | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | ー |
Ryzen 7 7700X | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | ー |
Ryzen 7 7700 | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | AMD Wraith Prism |
Ryzen 5 7600X | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | ー |
Ryzen 5 7600 | 内蔵*1 | 2 | 2200 MHz | AMD Wraith Stealth |
Ryzen 5 7500F | ー | ー | ー | AMD Wraith Stealth |
*1:AMD Radeon™ Graphics
Ryzen 5000シリーズでは、内蔵GPUはRadeon Vegaでした。
Ryzen 7000シリーズはVegaの後継アーキテクチャになるRDNA 2のGPU。
ただしゲームをやれるようなスペックではないと言うものの、H.264/H.265のハードウエアエンコーダーは入っている様子。
CPUクーラーについては、記載のあるものは同梱です。
AMD Ryzen 7000シリーズ まとめ
コア数やスレッド数、キャッシュサイズなどは、AMD Ryzen 5000シリーズと同じようなラインナップになっています。
Ryzen 5000シリーズがCezanne(セザンヌ)で製造されていたり、Vermeer(フェルメール)で製造されていたりしてややわかりにくいのに対し、Ryzen 7000シリーズはRaphael (ラファエル)だけで製造されているので仕様が一貫してわかりやすいです。
チップセット
ソケットAM5対応のチップセット
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700シリーズはありません。600シリーズの次は800シリーズです。
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マザーボード ラインナップ 比較・違い ASRock(アスロック) 編
ASRock AM5 マザーボード ATX mATXの スペック毎の機能一覧 比較 違い 仕様
[ASRockのAM5マザーボードのスペックを一覧にして比較しています。
ATXマザーのグループとmATX(マイクロATX)マザーのグループで分けてます。
スペック毎に機能一覧化していますので、重視するスペックで比較できます]
マザーボード・メーカーの最安値グレード A620チップセット 比較・違い
A620 マザーボードメーカーの最安値グレード比較(AMD ソケットAM5)
[下位グレードとはいえDDR5対応の今時のスペック。CPUに予算をかけるとか、ストレージをリッチにしたいとか、限られた予算の中でPCを組むなら下位グレードからが参考になります]
AMD Ryzen 9000シリーズ ソケットAM5
ソケットAM5でAMD Ryzen 7000シリーズと互換性があります。
(マザーボードのBIOSが対応する場合)
マイクロアーキテクチャがZen5になります。(Ryzen 7000シリーズはZen4)
コメント
GPUコアが内臓になっています。
何かぐにゃぐにゃしたものが内包されているみたいな
GPUコアだけではありません、(カメラの)「内臓フラッシュ」から何から何まで、サイト全体が「内臓」だらけでした。有機合成された未来の・・・な訳はなく。
数えるくらいしかコンテンツのないうちで助かりました。
ありがとうございました。