Intel 後継プロセッサー CORE i ブランドの廃止、世代も廃止
Intel は次期プロセッサー(Meteor Lake*1)から、「Core i」ブランドを廃止。
「Core Ultra(*2)」と「Core(*3)」になる。
Meteor LakeからNPUが搭載されています。
PC用ではソケットがLGA1700からLGA1851に変わるのも大きな変更点。
*1:Meteor LakeはノートPC用で、2023年12月から発表
*2:当初はMeteor Lake以降(PC用はArrow Lake)
*3:当初はMeteor Lakeより前のもの
次期プロセッサーからは「世代」表記もなくなる様子。
第14世代 CORE i プロセッサーは最後のCORE i プロセッサーになります。
第13世代のインテル CORE プロセッサー
第12世代のインテル CORE プロセッサー
とまとめてきました。このページは、第14世代のインテル CORE プロセッサー(デスクトップ)についてです。
インテルの製品サイトでは開発コード名が「Products formerly Raptor Lake」となっていますが、一般的には「Raptor Lake Refresh」と呼ばれています。
第14世代 (Raptor Lake Refresh)インテルのCore プロセッサー
第12世代(Alder Lake)から、高性能な「Pコア」と高効率な「Eコア」 を組み合わせたハイブリッド設計になっています。第13世代、第14世代はそのアーキテクチャを踏襲し、パフォーマンスアップされたCPUです。
第14世代は2024/1/9に9モデルが追加され、15モデルとなりました。
主な強化点は、
・動作クロックの引き上げ
・Core i7のみEコアの数が8個から12個へ、キャッシュも増加。
Core i7を除いてインパクトは低めで、第13世代の本当にほんの少し強化版という感じです。
第14世代(Raptor Lake Refresh) 概要
CPUソケット:LGA1700
メモリ:DDR5-5600 or DDR4-3200
ストレージ:PCIe5.0にも対応可能
WiFi:Wi-Fi6Eにも対応可能
Thunderbolt 4が利用可能
製造プロセス:intel 7
内蔵GPU:Intel UHD Graphics 700シリーズ
Pコア:Performance-cores (最大8コア16スレッド)
Eコア:Efficient-cores (最大16コア16スレッド)
対応チップセット:インテル600 シリーズ、インテル700 シリーズ
製造プロセスのintel 7は10nmと紹介されているようですが(多くのサイトで)、7nm相当と思っています。これはインテルの主張にも沿っているのですが、実際にユーザーに必要なのはどんなプロセスサイズで製造されたかではなく、何を実現したかです。10nmと案内すると情報としてミスリード(誤解させること)に繋がるのではないかと思っています(本来はプロセスサイズと共にトランジスタ数も併記すべきと思うのです)。
実際、Ryzen7000シリーズ(5nm製造)と比べても優劣難しく(価格設定が絶妙すぎる)。ああ、悩ましい。
インテル ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0
インテル ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 2.0 の拡張バージョン。
「シングルスレッドのパフォーマンスを最大 15% 向上させることができます」とインテルの話。
有効時の動作周波数 [GHz] | 第13世代 | |
Core i9 | 最大 5.80 | 最大 5.70 |
Core i7 | 最大 5.60 | 最大 5.40 |
Core i5 | N/A | |
Core i3 | N/A |
Core i5、Core i3は「インテル ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0」に対応。
いろいろインテル指標があってよくわかっていません、理解が進んだら追記、修正します。
補足:インテルCPUの型番末尾の記号、スレッド数、他
S:省電力モデル
K:オーバークロック対応
F:内蔵GPU非搭載
Pコアは1コア2スレッド処理可能です。
Eコアは1コア1スレッドで、スレッド数は、Pコアの2倍 + Eコア数になります。
参考価格は、2024年1月11日の価格.com値段です。
Core iシリーズ(第14世代 ) 製品スペック
Core i9:24コア / 32スレッド
Core i7:20コア / 28スレッド
Core i5:10コア / 16スレッド(最大)
Core i3:4コア / 8スレッド
第14世代 Core i9
コア数・スレッド数・参考価格
リンクは価格.comの製品リンク。
最新価格はリンク先を参照ください。
GPU | P | E | スレッド | 参考価格 | |
Core i9 14900K | 770 | 8 | 16 | 32 | 89,980 |
Core i9 14900KF | – | 8 | 16 | 32 | 85,980 |
Core i9 14900 | 770 | 8 | 16 | 32 | 89,980 |
Core i9 14900F | – | 8 | 16 | 32 | 86,980 |
第13世代からコア数、スレッド数に変わりはありません。
Core i9 動作周波数
リンクはインテルの製品リンク。
世代毎にまとめてますが、第12世代、第13世代、第14世代と動作周波数とコア数とキャッシュ数に相違がある程度なので、購入検討資料としては、Core i9とかでまとめた方がスペック比較として見やすいかもしれません。
最大 | P | E | |
Core i9 14900K | 6.0 GHz | 3.2 GHz | 2.4 GHz |
Core i9 14900KF | 6.0 GHz | 3.2 GHz | 2.4 GHz |
Core i9 14900 | 5.8 GHz | 2.0 GHz | 1.5 GHz |
Core i9 14900F | 5.8 GHz | 2.0 GHz | 1.5 GHz |
最大:ターボ・ブースト利用時の最大周波数
P:Performance-core基本周波数フリークエンシー
E:Efficient-core基本フリークエンシー
フリークエンシー:動作周波数と同義に近い意味(かな?)。実行サイクル数を指しているように思う。
Core i9 キャッシュ 電力
L2 | L3 | PBP | 最大 | |
Core i9 14900K | 32MB | 36MB | 125W | 253W |
Core i9 14900KF | 32MB | 36MB | 125W | 253W |
Core i9 14900 | 32MB | 36MB | 65W | 219W |
Core i9 14900F | 32MB | 36MB | 65W | 219W |
L2:合計L2キャッシュ。
– Pコアは2MB/1コア(8コアでL2合計16MB)
– Eコアは4MB/クラスタ(4クラスタでL2合計16MB)
合わせて32MB
L3:インテル スマートキャッシュ。
– ラスト・レベル・キャッシュですべてのコアで動的に共有。
AMDのプロセッサーはキャッシュを多く積んでいるイメージもありますが、インテルの方がリッチです。
PBP:プロセッサーのベースパワー(時間平均消費電力)
第14世代 Core i7
Core i7 内蔵GPU有無・コア数・スレッド数・参考価格
リンクは価格.comの製品リンク。
GPU | P | E | スレッド | 参考価格 | |
Core i7 14700K | 770 | 8 | 12 | 28 | 65,980 |
Core i7 14700KF | – | 8 | 12 | 28 | 61,980 |
Core i7 14700 | 770 | 8 | 12 | 28 | 64,790 |
Core i7 14700F | – | 8 | 12 | 28 | 61,190 |
第14世代は、第13世代からEコアが4コア増の12コアになりました。
コア数、スレッド数だけなら第12世代のi9超え。
Core i7 動作周波数
Core i9と比べると、Pコアの数は同じで、Eコア数が半分の8です。
基本フリークエンシーの高いプロセッサーと低いプロセッサーの2種類。
後述(キャッシュ 電力)になりますが、PBPが65Wのものと125Wのものになります。
最大 | P | E | |
Core i7 14700K | 5.6 GHz | 3.4 GHz | 2.5 GHz |
Core i7 14700KF | 5.6 GHz | 3.4 GHz | 2.5 GHz |
Core i7 14700 | 5.4 GHz | 2.1 GHz | 1.5 GHz |
Core i714700F | 5.4 GHz | 2.1 GHz | 1.5 GHz |
最大:ターボ・ブースト利用時の最大周波数
P:Performance-core基本周波数フリークエンシー
E:Efficient-core基本フリークエンシー
Core i7 キャッシュ 電力
L2 | L3 | PBP | 最大 | |
Core i7 14700K | 28MB | 33MB | 125W | 253W |
Core i7 14700KF | 28MB | 33MB | 125W | 253W |
Core i7 14700 | 28MB | 33MB | 65W | 219W |
Core i714700F | 28MB | 33MB | 65W | 219W |
L2:合計L2キャッシュ。
– Pコアは2MB/1コア(8コアでL2合計16MB)
– Eコアは4MB/クラスタ(3クラスタでL2合計12MB)
合わせて28MB
第14世代 Core i5
Core i5の第12世代〜第14世代をまとめたページがあります。
購入検討で、この価格帯・スペックで比べるなら、Core i5のページの方が見易いです。
Core i5 内蔵GPU有無・コア数・スレッド数・参考価格
GPU | P | E | スレッド | 参考価格 | |
Core i5 14600K | 770 | 6 | 8 | 20 | 47,980 |
Core i5 14600KF | – | 6 | 8 | 20 | 43,980 |
Core i5 14500 | 770 | 6 | 8 | 20 | 40,490 |
Core i5 14400 | 730 | 6 | 4 | 16 | 38,490 |
Core i5 14400F | – | 6 | 4 | 16 | 34,490 |
価格帯的にこのあたりのもの(できればもう少し安く)が欲しいけれど、上にも下にも供給製品があって、ちょっとやそっとでは値崩れなんかしなさそう。
Core i5 動作周波数
最大 | P | E | |
Core i5 14600K | 5.3 GHz | 3.5 GHz | 2.6 GHz |
Core i5 14600KF | 5.3 GHz | 3.5 GHz | 2.6 GHz |
Core i5 14500 | 5.0 GHz | 2.6 GHz | 1.9 GHz |
Core i5 14400 | 4.7 GHz | 2.5 GHz | 1.8 GHz |
Core i5 14400F | 4.7 GHz | 2.5 GHz | 1.8 GHz |
第13世代と同じ傾向で、Pコア・Eコア共に、Core i7より基本動作周波数(基本フリークエンシー)が上がっています。
Core i5 キャッシュ 電力
L2 | L3 | PBP | 最大 | |
Core i5 14600K | 20MB | 24MB | 125W | 181W |
Core i5 14600KF | 20MB | 24MB | 125W | 181W |
Core i5 14500 | 11.5MB | 24MB | 65W | 154W |
Core i5 14400 | 9.5MB | 20MB | 65W | 148W |
Core i5 14400F | 9.5MB | 20MB | 65W | 148W |
Core i7はL2、L3共に増えているのに対して、i5は第13世代から据え置き。
L2はPコアの増加分なので致し方無いにしても、L3の据え置きは寂しい。
第14世代 Core i3
この価格帯ならAMDのプロセッサーを選びそう。
Ryzen 5000シリーズの方がコスパはいい。
Core i3 内蔵GPU有無・コア数・スレッド数・参考価格
相変わらず、Eコアは無く、Pコアのみの構成。
GPU | P | E | スレッド | 参考価格 | |
Core i3 14100 | 730 | 4 | 0 | 8 | 23,590 |
Core i3 14100F | – | 4 | 0 | 8 | 19,750 |
Core i3 動作周波数
最大 | P | E | |
Core i3 14100 | 4.7 GHz | 3.5 GHz | – |
Core i3 14100F | 4.7 GHz | 3.5 GHz | – |
Core i3 キャッシュ 電力
L2 | L3 | PBP | 最大 | |
Core i3 14100 | 5MB | 12MB | 60W | 110W |
Core i3 14100F | 5MB | 12MB | 58W | 110W |
第14世代 後記
ベース動作周波数が高い方がいいのか、低くてもいいのか、不明。
必要な時に必要な演算力があればいいのであれば、普段は低い動作周波数で構わないような気がしているところ。
次のintel 4で作られるデスクトップ向けCPUが凄そうです。
ただし、発売は2024年後半になりそう。
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