AMD ソケットAM5とは チップセット600シリーズ(X670E,X670,B650E,B650,A620)製品ラインナップ比較、機能

202304 自作PCパソコン
202304 自作PC

本サイトは広告及びアフィリエイトプログラムによる収益を得ています、本記事はその一部となります。

このページは、ソケットAM5のAMDチップセット600シリーズの内容になります。
マザーボード選びのベースになる資料。

本記事は冗長で長いです。まとめ・要点だけでよければ、以下の方がわかりやすいです。
ソケットAM5用チップセット(600シリーズ・800シリーズ)のまとめ・要点

AMDチップセット600シリーズは、ソケットAM5のプロセッサーのRyzen 7000シリーズ、Ryzen 8000Gシリーズ、Ryzen 9000シリーズに対応するチップセットです。
(BIOSが対応している必要があります)

AMDチップセットに700シリーズはありません(スキップされました)。
600シリーズの次は800シリーズになっています。

AM5以前のソケット AM4対応のチップセットについては、以下をご覧ください。
(Ryzen 5000シリーズCPU)
AMDソケット AM4 チップセット 500シリーズ 比較、まとめ、セットするCPU

AMD ソケット AM5 とは (Socket AM5)

ソケットAM5は、AMDのCPUソケット名称。
AM5以前には、AM3+、FM2+、FS1b、AM4とありました。
それぞれのソケット毎に対応するCPUをセットする事になります。
ソケットAM5対応のCPUは、Ryzen(ライゼン) 7000シリーズ、Ryzen 8000GシリーズのCPU(プロセッサー)です。
Socket AM5 1718pin [LGA (Land Grid Array)]
・TDP170Wまでのプロセッサに対応
・DDR5対応(DDR4未対応)
・PCI Express 5.0対応
各ソケット間に互換性はありません。

AMD Chipsets(チップセット) 600シリーズ

AMDチップセット 600シリーズは、
X670E (Promontory 21 ×2)
X670 (Promontory 21 ×2)
B650E (Promontory 21 ×1)
B650 (Promontory 21 ×1)
A620 (Promontory 21 ×1)
「Promontory」はメインチップ名称・モデル。
「×2」は2チップ使用されているという事。
A620はPromontory 21の機能制限版。

メモリがDDR5対応となりました。
もし手元にDDR4メモリがあっても互換性がないので使用できません。
型番に「E」のつくものとつかないものがありますが、グラフィックス用のバスがPCIe®5.0かPCIe®4.0の違いになります(後述)。

PCIe(PCI-Express) グラフィックスとNVMeのサポート

PCIeは、PCI-Expressの略名称。
PCI-Expressは、CPUやチップセットが他のデバイス – グラフィックスボード(グラボ、GPU)やストレージ(m2、SSD等)、その他(サウンドカード等)とデータをやり取りする通路。

以下の値は、「ダイレクト・プロセッサー PCIe」です。
AMD公式 – AMD ソケット AM5 チップセット 仕様

グラフィックスNVMe
X670EPCIe®5.0 1×16/ 2×8PCIe®5.0 1×4
X670PCIe®4.0 1×16/ 2×8PCIe®5.0 1×4
B650EPCIe®5.0 1×16/ 2×8PCIe®5.0 1×4
B650PCIe®4.0 1×16/ 2×8PCIe®4.0 1×4 *1
A620PCIe®4.0 1×16PCIe®4.0 1×4

チップセット600シリーズから、PCIe®5.0(後述)対応が始まりました。
型番に「E」のつくものがグラフィックス用のバスがPCIe®5.0対応になります。
B650、A620ではグラフィックス用のバスだけではなくNVMeもPCIe®4.0になります。
*1:マザーボードのオプション対応でPCIe®5.0もあります。

グラフィックス・レーン数 – 仕様・比較

グラフィックスとはその名の通り、GPU(Graphics Processing Unit)ボードの接続スペック。
グラフィックボード/ビデオカードは、PCIeスロットと呼ばれるところに刺します。
1×16/ 2×8は、16レーンが1つ or 8レーンが2つの組み合わせ。
レーンは、PCIeの通信経路の1組で、複数を束ねて大量のデータを通信するようになります。
1レーンの通信速度は世代で異なります。
PCIe®5.0:32Gbps
PCIe®4.0:16Gbps
スペック的には以下になります。

仕様グラフィックス 最大通信量
X670EPCIe®5.0 1×16/ 2×8512Gbps x1 or 256Gbps x2
X670PCIe®4.0 1×16/ 2×8256Gbps x1 or 128Gbps x2
B650EPCIe®5.0 1×16/ 2×8512Gbps x1 or 256Gbps x2
B650PCIe®4.0 1×16/ 2×8256Gbps x1 or 128Gbps x2
A620PCIe®4.0 1×16256Gbps x1
グラフィックス チップセット600シリーズ

(PCIe®5.0) 32Gbps X (レーン数)16 = 512
という計算です。
チップセット500シリーズに比べて、チップセット600シリーズは、同等か倍のスペックになります。
「x2」はレーンを分割して、GPU(グラフィックスボード)を2枚動作させる仕様。
(ただし、2×8レーンになるので帯域は半分)

NVMe(M.2)は、ストレージ用 データ伝送量 – 仕様・比較

NVMe(Non-Volatile Memory Express)とは、(フラッシュ)ストレージのために最適化された通信プロトコルの名称。
M.2は、SSDの接続端子について定めた規格の名称。
仕様は「1×4」となってますが、対応するPCIe®世代から、以下のようになります。
これは、チップセットの仕様で、マザーボード側で2つ目のM.2を用意することもあります。

仕様NVMe 最大通信量
X670EPCIe®5.0 1×4128Gbps(16000MB/s) x1
X670PCIe®5.0 1×4128Gbps(16000MB/s) x1
B650EPCIe®5.0 1×4128Gbps(16000MB/s) x1
B650PCIe®4.0 1×4 *164Gbps(8000MB/s) x1
A620PCIe®4.0 1×464Gbps(8000MB/s) x1
NVMe チップセット600シリーズ

bps(bits per second)は、1秒間の伝送レートで、ビット数。
G=ギガ、M=メガは、B=バイト、情報の単位。
bit(ビット)は2進数の1桁。1Byte(バイト)は8ビットとなっています。
1Gbpsは、1000Mbpsなので、128Gbpsは、128000Mbps=(128000/8)=16000MB/sが上限です。
ただし、PCIe®5.0対応のM.2 SSDは、スペックこそPCIe®4.0の64Gbps(8000MB/s)を超えているもののまだまだ伸び代がある状況です。爆熱らしいので寿命も心配。
*1:マザーボードのオプション対応でPCIe®5.0もあります。

PCIe®レーン 数 – 仕様・比較

レーン合計/PCIe® 5.0 (最大)
X670E44/24
X67044/8
B650E36/24
B65036/0
A62032/0
レーン数 チップセット600シリーズ

PCIe® 5.0レーン数は、グラフィックスとNVMeを含みます。
X670E / B650Eの場合、「PCIe® 5.0 (最大)」は最大24レーンですが、グラフィックスで16レーン、NVMeで4レーンを使用し、残り4レーンとなります。
X670は、「PCIe® 5.0 (最大)」はNVMeで4レーンを使用し、残り4レーンとなります。
B650とA620はPCIe® 5.0をサポートしません、なので「PCIe® 5.0 (最大)」は0になります。

USB数、SATAポート数 – 仕様・比較

USB 5 GbpsUSB 10 GbpsUSB 20 GbpsSATAポート
X670E21228
X67021228
B650E1614
B6501614
A620224
USB,SATAポート数 チップセット600シリーズ

SATA ポートは、または PCIe® 3.0という仕様です。
PCIe®3.0は8Gbpsという通信量になります。

SATAポートは、第3世代の「SATA3」または「SATA6.0」と呼ばれ、HDDやSSDを繋げます。
データ転送速度の理論値は最大6.0Gbpsです。
6000Mbps=750MB/sとなりますが、実効転送速度は600MB/s程度。

ネットワークドライブには申し分ありませんが、パソコン内蔵ストレージには、今となっては遅く感じます。

オーバークロック対応 – 仕様・比較

CPUオーバークロック対応DDR5 メモリ オーバークロック対応
X670Eはいはい
X670はいはい
B650Eはいはい
B650はいはい
A620いいえはい
CPUオーバークロック、メモリオーバークロック対応 チップセット600シリーズ

オーバークロックして楽しみたい方向け情報。
Ryzen 7000シリーズのCPUの定格最大メモリクロックは、DDR5-5200です。
(4枚差しの場合、DDR5-3600になる)
定格以上のメモリを使う場合はOC(オーバークロック)対応のメモリを使用することになります。

2チップでの比較 違い

ボリュームが凄くなってきたので、ページを分けていきます。リンク先をご覧ください。

B650 A620 の違い

B650 A620 の違い AMD チップセット 600シリーズ

X670 B650 の違い

X670 B650 違い AMD チップセット 600シリーズ

B650 B650E 違い

B650 B650E 違い AMD チップセット 600シリーズ

AMD チップセット(Chipset) 600シリーズ まとめ

AMD チップセット600シリーズは、対応CPUがRyzen 7000シリーズ以上となり、Ryzen 7000シリーズのスペックをどれだけ引き出せるかが型番の違いとなります。
これらは以前のAM4ソケットに比べて、DDR5メモリの対応やPCIe®5.0 対応が大きな魅力。
パソコンでCPUだけが高機能化しても、データが供給されなければCPUはアイドル(待ち)になるので、気分的にモヤモヤします。
メモリやストレージが強化されてバランスよくパフォーマンスアップされます。
PCIe®5.0対応のグラボなら、X670E、B650E。
PCIe®4.0までのグラボなら、B650でもOK。
マザーボードメーカーがどんな方向にデザイン(設計)してくるかでも特徴は変わってきますので、自分の欲しいスペックと考え合わせて参考にしてください。

組み合わせるプロセッサー Ryzen 7000シリーズ

AMD CPU Ryzen 7000シリーズ(ソケット AM5) 比較一覧、違い
[AMDチップセット600シリーズはソケットAM5です。組み合わせるCPUはRyzen 7000シリーズになります]

組み合わせるプロセッサー Ryzen 8000シリーズ

AMD APU Ryzen 8000Gシリーズ特徴・ラインナップ比較一覧、違い(ソケット AM5)

組み合わせるプロセッサー Ryzen 9000シリーズ

AMD Ryzen 9000シリーズ(デスクトップ CPU プロセッサー) ラインナップ 比較 相違・特徴

マザーボード ラインナップ 比較・違い ASRock(アスロック) 編

ASRock AM5 マザーボード ATX mATXの スペック毎の機能一覧 比較 違い 仕様
[ASRockのAM5マザーボードのスペックを一覧にして比較しています。
ATXマザーのグループとmATX(マイクロATX)マザーのグループで分けてます。
スペック毎に機能一覧化していますので、重視するスペックで比較できます]

マザーボード・メーカーの最安値グレード A620チップセット 比較・違い

A620 マザーボードメーカーの最安値グレード比較(AMD ソケットAM5)
[下位グレードから調べるあたりが懐事情を反映しています。
B650までは調べると思います。それ以上は予算を超えるので、多分調べません]

Ryzen(ライゼン)

AMD CPU Ryzen(ライゼン)とは
[AMDの現行CPUはRyzen(ライゼン)と呼ばれるシリーズで展開されています。マイクロアーキテクチャのZenが発表されたのが2016年、生産開始が2017年。製造プロセスでは5世代が過ぎました。Ryzenの歴史と現在を紹介]

購入検討ページ

いろいろ調べているのは自分の家のPCを自作する為ですが、書き連ねるうちに以下のように増えて(分割)しまいました。ご参考にどうぞ。

自作PC 2024年パーツ選び(計画) 2023年の購入品
自作PC 構成候補 パーツリスト
自作PC パーツ選び プロセッサー(CPU)購入考察 2024年

コメント

  1. とんとん より:

    グラフィックス・レーン数 – 仕様・比較
    のところの表で、
    X670 PCIe®5.0 1×16/ 2×8 256Gbps x1 or 128Gbps x2
    とありますが、
    PCIe 4.0
    の間違えではないでしょうか。

    • R(アール) より:

      とんとん さん
      ご指摘の通りです。「E」無しなので、「PCIe®4.0 1×16/ 2×8」が正しいです。
      ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました